良い離婚はある? 離婚の子どもへの影響と、子育てについて考える。
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離婚は家族を壊すか

  「離婚は家族を壊すか」
翻訳者からのお薦め
 『離婚は家族を壊すかー20年後の子供たちの証言』
 
親の離婚を目の当たりにしてきた子どもたちが
 語る言葉にぜひ耳を傾けてほしい
  翻訳者 渡利美重子
 「メンデレーエフ 元素の謎を解く」を訳して

 中学2年のT君は、授業中いつも机に突っ伏していた。
言葉をかけても「うるせぇ」。友人たちは「あんなヤツじゃなかったのに…」と言う。
ある日ボソっと私に言った。
 「俺、春休みおふくろのところへ行って来る」遠くはなれた都会に暮らす母には赤ちゃんがいるとのこと。
 4月、中3になっても無気力、怠惰な生活ぶりは変わらなかった。エネルギーに満ち溢れた生活をする多数の生徒のなかで、T君の生気のなさは担任としていつも気がかりだった。彼のことが忘れられず、私はこの本の翻訳を決意した。

 本書を読んで驚いたのは、子どもが親の離婚を受け入れている場合が多いことだ。
そしてもっと驚いたのは、離婚後も両親が協力して子どもの世話をし、慈しみ、さらに、再婚して新たに加わった義父母とも、紆余曲折を経たにせよ、実の父母のように、また異父母弟妹とも実の弟妹のように親しんでいる家族があるということだ。離婚後20年を経て、理想的な友人同士となった両親も決して少なくはないと言う。

 恐らく、今離婚の渦中にいる人には考えられない姿だろうが、子どもが離婚を受け入れ、場合によっては再婚したときにその相手を慕い、そこに生まれた弟妹とも仲良くしてくれるとしたら、これはすばらしい未来像ではないだろうか。
 もちろん、痛みの伴わない離婚はひとつとしてないだろう。両親の痛みも重要だが、子どもに離婚の衝撃が大きな傷として残らないようにするにはどうしたらよいか。

 実際に親の離婚を目の当たりにしてきた子どもたちが語る言葉にぜひ耳を傾けてほしい。子どもの年齢にもよるが、小さな子どもでも離婚に至る経緯も含めて、驚くほどよく分かっている。
 「バツいち」という言葉が市民権を得るほど離婚が増えた日本でも、離婚した元夫婦が理想的友人同士になり得るとは信じられないのではないか。
離婚にまつわるさまざまな偏見を社会から一掃するためにも、離婚に無縁な人にもぜひ読んでもらいたい一冊だ。


  翻訳者からのお薦め
 『離婚は家族を壊すか』
 
新たな家族と新たな家庭の
 スタートを切った人々への応援歌
  翻訳者 天冨俊雄 「メンデレーエフ 元素の謎を解く」を訳して

 この共訳に参加するとき、私は期待と不安の両方を感じていました。
 この本は両親の離婚を経験した子どもたち一七三人を二十年後に追跡調査した貴重な研究結果がまとめられたものです。
 しかし「離婚」にはマイナスイメージがあって、一般には敬遠されがちで読んではもらえないのではないかとも考えました。
 子は「かすがい」として両親の絆となっていたのに、離婚という事態が起こったとき、子どもたちはこれをどう受け止め、その後どうなっていくのか、その時の子どもの年齢や、男か女か、きょうだいはいるのかなど、子ども自身の要因とともに、親が離婚をどう受け止め、その後どのように生活を展開していくのか、これによって影響が異なるのは当然です。さて実際にどのような影響を与えるのでしょうか?

 今日アメリカ社会では離婚は頻繁で、再婚もまた日常的に起こっています。
そのたびに子どもたちは事態に対応しなければなりません。
 だが予想に反して、子どもたちは新しく拡大した家族(複合家族)の中でしなやかにたくましく生活していくのを著者は多く目にしました。
 私が訳を担当した第六章では、子どもたちや父母、それに兄弟姉妹(継父母や継子、義理の兄弟を含む)という拡大された家族の複雑な関係が子どもたちとのインタビューを通して追跡調査されています。環境の急激な変化に子どもたちや親たち家族がどのように対応してきたかが丹念に追跡されています。一方で家族たちの関係を冷静に分析し、観察して、拡大した家族の関係に助言しています。

 日本でもすでに離婚や再婚によって生じた生活の変化に戸惑い苦しむ人々が増えています。
 この調査結果は、離婚や再婚が必ずしも悪い結果をもたらすものではなく、時には新しい人生の展開をも期待できることを示しています。
 新たな家族と新たな家庭のスタートを切った人々への応援歌として、この本が不安に揺れ動く子どもたちとそれを支える親たちにとって役立つことを願っています。


  翻訳者からのお薦め
 『離婚は家族を壊すか』
 家庭という組織の基盤は結婚なのだろうか?
  翻訳者 田中麻美子 「メンデレーエフ 元素の謎を解く」を訳して
 

 一般に、離婚イコール家庭の崩壊と考えられる。家庭という組織の基盤が結婚であると暗黙のうちに考えられているからだ。その考え方が、片親家庭に対する偏見にもつながる。そうした社会環境こそが、片親家庭にハンディを負わせている主な要因であり、離婚そのものがこどもの健全な育成を阻むものではないかもしれないという視点からの調査をまとめたものがこの本だ。
 五十パーセントの結婚が離婚に終わるといわれ、子どもをつれて何度も再婚することが珍しくないアメリカ社会でも、意外に片親家庭に対する偏見が根強いことがわかる。日本でも近年離婚率が上昇しており、片親家庭の子どもたちも増えているが、結婚に対してまだまだ保守的な見方が強く、片親家庭が背負う社会的ハンディはもっと大きいだろう。
 この本は、実際に両親の離婚を経験し、片親家庭、または連れ子として親の再婚相手と家族になって暮らしてきた人々の生の声を伝えている。両親の離婚を子どもはどう受け止めるのか、どういう影響を受けるのか。今まで周りの大人たちがいろいろと論じることはあっても、当事者である子どもたちの話を聞く機会はなかったのではないか。
 もちろん、離婚はしない方がよい、それがすなわち家庭の崩壊であり、子どもの成育にどうしようもない障害をもたらすものだと片付けてしまうのは正しくないことを著者は教える。子どもにとって、何よりも大切なことは愛されながら育つということだ。両親がそろっていようと、片親であろうと、愛情をたくさん受けながら育つかどうかが、大切なのだ。愛情の無いまま結婚関係を続けてぎすぎすした家庭の中で子どもを育てるより、たとえ片親でも周りの大人たちから十分に愛されながら育つ環境を子どもに与える方がずっと良いかもしれない。離婚の可否を論じることは別にして、子どもの心の問題が取りざたされる今、まさにタイムリーな情報ではないだろうか。


  翻訳者からのお薦め
 『離婚は家族を壊すか』
 あなたが離婚したとしましょう。
 子どもの本当の心の支えになる自信がありますか?
  翻訳者 加藤和美 「メンデレーエフ 元素の謎を解く」を訳して

 離婚を考えたことがありますか?YESと答える人は多いでしょう。けれども、子どもを持つ多くの親にとって、離婚は非現実的であり、親として一番避けたい選択です。けれども、離婚しなければ子どもにとってもっと悪い状況を招く場合もあります。ですから、離婚せざるを得なかった場合、この一番最悪な選択の中での最善の方法を探さなくてはなりません。
 生活環境は子どもに非常に大きな影響を与えます。子どもはいつも親を見ています。そして、親の気付かぬところで傷つき悩み苦しんでいるのです。子どもはとてもデリケートで、心の傷をそのままにしておけば、精神面で何かしらの歪みが生じることがあります。子どもが苦しんでいることに、あなたは気づいていますか?親が子どもにしてあげられることは何でしょうか?親として絶対にしてはいけないこととは何でしょうか?この本を読めば、このとても大事な問いに答えが出るでしょう。
 親の離婚に限らず、人生には様々な困難が待ちうけています。私たちは誰もが、その困難に立ち向かっていかなければなりません。忘れてはならないのは、いつかは子どもは自立しなくてならないということです。

 この本は、親として、どうしたら、逆境に立ち向かっていける心の強さを子どもにもたせられるか教えてくれます。そして、どうしたら親は子どもの心の支えとなれるかわかるでしょう。
 離婚してしまった人、離婚を考えている人はもちろんのこと、「離婚」という枠組みを超えて、離婚を選択しない親にも、是非読んで欲しい。親としてあるべき姿がそこにみえてくるはずです。

 


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