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新訳 ビートン夫人の料理書



監 訳
福井 あや子

翻 訳
伊森 俊昭   明浦 綾子
村岡 桂子   村上 修一
遠藤 一孝   山田 由香里
工藤 奈月   掛本 千宏
曽我 佐保子   石黒 千秋

監訳者のことば
 「ビートン夫人の家政術」の原書は、編集に四年を費やして完成しましたが、一八六一年に初版が出版されると一年以内で六万部を売り上げるという成功を収めました。今日まで再版を重ねて、世界中で何百万部もの売り上げを達成しています。ビートン夫人の名は、イギリスの伝統的な価値と高品質の代名詞的存在となり、キッチン用品、日用品、家庭用家具などの商品には理想的なブランドとなりました。アガサ・クリスティーのミステリーに登場する主人公のミス・マープルも、来客をもてなしながら、紅茶の上手な淹れ方についてビートン夫人の言葉を引用しています。
 本書は、料理について、科学的、歴史的、哲学的、宗教的考察をおこなうだけではなく、ビクトリア朝時代のイギリスの中流家庭において、使用人を使うコツ、家事の手間を省くコツ、かかりつけの医者や弁護士と付き合う方法など、家庭を上手に管理するための情報も提供しています。訳書では、原書の中から料理に関する章をすべて訳しましたが、膨大なレシピは除いてあります。
 著者のイザベラ・ビートンは、四人の姉弟の惣領でしたが、母親が再婚したため、義理の弟妹と新しく生まれた弟妹を合わせると、姉弟の総数が一七人となりました。こうした環境から、家政術に目を向けるようになったのかもしれません。
 イザベラは有能な編集者と結婚して、夫の雑誌に載せる記事を手始めに、料理と家政に関する作品を著しましたが、わずか二八歳でこの世を去りました。本書は、イザベラ・ビートンの名を今日まで残す契機となった大作です。
 翻訳は、一○名の受講生と共に、ワークショップ形式でおこないました。ほぼ全員が、一語一句を原文どおりにていねいに訳しました。なかには、専門用語辞典やインターネット検索を使って、用語を詳しく調べた受講生もありましたが、読みやすい文章に仕上るために、日本語に少々手を加えました。
耳慣れない料理の名前については、四○章の冒頭に、簡単な説明を追加しておきました。
 バベルのスタッフの方々にお世話になったことに、この場を借りて感謝を表したいと思います。
福井あや子

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